北野天満宮前まで伸びていた嵐電、北野駅

現在は北野白梅町までの嵐電北野線。かつては北野天満宮の前まで伸びており、北野線の終点は北野天満宮前にある北野駅でした。

下の写真が当時の北野駅の駅舎です。

年表
1926年 大正15年3月10日:北野線 北野駅~帷子ノ辻駅間の全線が開通
1958年 昭和33年7月:北野線 北野~白梅町(現北野白梅町)間営業廃止

写真は京福電気鉄道様提供

出典:国土地理院航空写真(2020年及び1946年撮影)

左が2020年、右が1946年に撮影された航空写真です(+の上にある建物は変わっていませんね)。
右の写真にプラットホームのようなものが見えませんか?
※現在、旧北野駅の敷地は京都佛立ミュージアムとなっています。

なぜ廃止となってしまったのか?

現在の今出川通を走っていた市電今出川線は東方面から北野紙屋川までは昭和32年(1957年)4月までに開通していました(京都市交通局,1978)。

しかし、北野紙屋川〜白梅町の僅かな区間が繋がっていなかったため、西大路線(今の西大路通)と直通運転・循環運転ができず、不便な状態でした。
そこで京福電鉄(嵐電)北野線を西に後退させ、今出川線を白梅町まで延伸させました(高橋・高橋,2012)。

つまり、市電今出川線を白梅町まで延伸させたことが嵐電北野線白梅町~北野の廃止の理由です。


なお、 今出川線は 昭和51年(1976年)3月には白川・丸太町線と共に廃止されてしまいます(福田,2015)。

現在の今出川通から北野駅方面を望む
(作成班2021年撮影)

上の写真の真っすぐ伸びる細い道を嵐電北野線が走っていました(単線でした)。ちなみに、今出川通がこの部分で斜めになっているのは、北野天満宮を避けるためのようです(福田,2015)。

嵐電 白梅町~北野駅間がデジタル仮想復元!
※立命館大学映像学部が2018年に作成

いかがでしたでしょうか?北野白梅町駅から廃止になった嵐電北野線に想いを馳せながら歩いてみてはいかがでしょうか?

交通アクセス
最寄り駅
・嵐電北野白梅町駅
最寄り停留所
・市バス・西日本JRバス北野白梅町
・市バス北野天満宮前

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北野白梅町駅


北野駅跡を訪れる際は北野天満宮へ参拝してみてはいかがでしょうか?毎月25日には天神市も催されます。

北野駅同様、現在では廃駅となった駅がいくつか存在するのですが、その中でも復活と廃止を繰り返した駅が存在します。


参考文献

京都市交通局,1978「さよなら京都市電」京都市交通局.
京福電気鉄道株式会社,「嵐電の歴史」https://randen.keifuku.co.jp/archive/history.php(最終閲覧日2021年11月22日).
高橋弘・高橋修,2012「よみがえる京都市電~市営化から100周年、車両・停車場・街角の懐かしい記憶~」学研パブリッシング.
国土地理院,「地理院地図」https://maps.gsi.go.jp/#18/35.027144/135.735566/&ls=ort%7Cort_USA10%7
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1&base2=std&ls2=std%7Cort_USA10&blend2=0&disp2=11&lcd2=ort_USA10
(最終閲覧日2021年11月22日).
福田静二,2015「京都の市電 昭和を歩く」トンボ出版.

作成:2021年度作成班

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