大正から昭和にかけて京都で活躍した日本画家・堂本印象。
彼の芸術家としての生涯を結集した美術館が立命館大学の正門前に建っている。
大正から昭和にかけて京都で活躍した日本画家・堂本印象。彼は、戦前に開催されていた帝国美術院展覧会で高い評価を受け、日本画家として名を駆せた。また戦後には画風を大きく変え、抽象画を手掛けるなど幅広く活動した。
そんな彼の芸術家としての生涯を結集した美術館が立命館大学の正門前に建っている。
「京都府立堂本印象美術館」は、
堂本氏自らがドアハンドルから壁面装飾に至るまで全てをデザインした美術館であり、
それ自体一つの作品であると言えよう。
「堂本印象美術館」は堂本氏自身によって設立され、
昭和41年(1966) 10月に堂本美術館として開館した。
平成3年(1991) 建物と作品が京都府へ寄贈、
翌年の平成4年(1992) 「京都府立堂本印象美術館」として開館し、現在に至る。
美術館における外観や内装のデザインはすべて堂本氏自らによるものであり、美術館を建てる際、堂本氏は昭和27年(1952)にヨーロッパで見学した宮殿や邸宅を用いた美術館を参考に、独自の美の可能性を追求したと言われている。
建設にあたって制作された多くのスケッチからは、自身の美術館空間を独自に創造しようとする印象のエネルギッシュな思いが汲み取れ、これらのスケッチにみられる装飾形態は、現在でも美術館内に残されている。
美術館情報
開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は閉館30分前まで)
観覧料:一般510円(400円)/ 高大生400円(320円)/ 小中生200円(160円)
休館日:月曜日(祝休日の場合は開館し、翌平日に休館) 及び 年末年始(12月28日~1月4日)
※その他、展示替えなどで臨時休館することがあります。
京都府立堂本印象美術館 (insho-domoto.com)
堂本印象について
堂本印象は1891年(明治24年)
京都市上京区に代々続く造酒屋「丹波屋」の三男として生まれた。
本名は三之助という。
父の伍兵衛は家業を営む一方、近隣の富岡鉄斎をはじめとする芸術家たちとの親交もあり、
古美術、茶道、華道、俳諧などに造詣が深い人だった。
読書や絵画が好きな少年として育った印象は小学校を卒業後、
京都市立美術工芸学校図案科に進学。
卒業後は絵画専門学校に進み、画家になることを志していた。
しかし父は事業に失敗し、印象が20歳の時に他界。
家計を支えるため図案描きの仕事をはじめるが、
印象は画家になることを諦めていなかった。
1918年、かねてからその才能を認めていた龍村による援助を受け、
27歳の時、遂に京都市絵画専門学校に入学した。
翌年には早くも第1回帝展に「深草」が初入選し、日本画家としての道を歩みはじめ、
その後も、のちに印象作品の中でも特に有名で人気の高い作品となる数々の大作を発表して
画壇に確固たる地位を築いた。
堂本印象美術館へ行ってみよう!
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